2024年度事業実績ならびに庶務報告について
当(一社)鉄道電業安全協会は、鉄道電気関係工事の安全施工に関する調査・研究、講習及び資格認定、並びに安全技術の普及、改善に寄与し以て鉄道事故防止の促進を目的としている。
2024年度は新型コロナ5類へ移行後の対応、インボイス制度定着等の社会的動向を踏まえつつ、鉄道電気工事の安全を支えるという使命を果たすため、資格認定業務等を厳正実施するなど鉄道電気関係工事の安全施工をはじめとする各事業を推進した。
〔1〕2024年度事業実績
- 1.
- 会員への支援
- (1)調査・研究、委員会事業
- ①支部・支所における事故防止委員会を継続し、各鉄道事業者及び会員とともに事故情報の共有化、事故防止策の検討、実施対策の水平展開を図った。
11月には新たに長野地区事故防止委員会を立ち上げた。
(附属資料-1 2024年度委員会事業等実績表) - ②2022年度より再開したJR6社電力ワーキンググループ会議を5月、9月、12月、3月に開催、また信号ワーキンググループ会議を4月、8月、12月に開催し実務レベルによる事故情報及び事故防止対策の共有化と情報交換を行った。
また、各々のワーキング会議で共有した事故情報等を会報誌「鉄道電業と安全」に掲載し会員へ情報を発信した。 - ③2018年度から実施している、年代別・支部別有資格者数の把握・分析を継続実施し、会員の資格者確保のための方策検討に供している。
- ④安全資料図書室(当協会ホームページ)の充実を図り、会員の事故防止に資すると共に、講習会資料に供してきた。
- ①支部・支所における事故防止委員会を継続し、各鉄道事業者及び会員とともに事故情報の共有化、事故防止策の検討、実施対策の水平展開を図った。
- (2)講習会・資格認定事業
- ①2023年4月1日に制定した「電気関係工事従事者資格認定業務規則」の取組み状況を内部監査等で確認した。
- ②鉄道事業者における資格認定制度の変更や規程類の改訂等を迅速に反映し、常に資料をブラッシュアップして講習会内容及び資格認定業務に反映している。
- ③10条教育、適性検査、安全教育ならびに資格認定業務等、鉄道事業者の要請に対して積極的に対応している。
- ④オンライン講習、ビデオ講習など、講師の高齢化・ウィルス感染防止等、環境の変化に対応した講習のあり方について、検討・実施を推進している。
東日本支部においてタブレットを使用したペーパーレス講習会の試行を継続している。
(附属資料-2 2024年度講習会事業等実績表) - ⑤2024年4月19日鉄道分野における特定技能制度の運用に関する方針(国土交通省等)において、当協会が電気設備整備区分の試験実施機関となった。
以後、鉄道局が公表した「試験実施要領」に基づく「特定技能評価試験実施規則」を制定したほか、試験問題の作成、プレテストの実施、ホームページ掲載等、試験実施に向けて準備を進め、2025年3月17日第1回の特定技能1号評価試験を実施した。
- (3)表彰事業
- ①表彰規程に基づき、2024年度施工安全賞及び協会功労賞表彰を行った。
第13回定時社員総会後、施工安全賞54名、協会功労賞10名に会長より表彰状及び記念品を授与した。
(附属資料-3 2024年度施工安全賞・鉄道電業安全協会功労賞受賞者名簿)
- ①表彰規程に基づき、2024年度施工安全賞及び協会功労賞表彰を行った。
- (4)特別会員(鉄道事業者)との連携強化
- ①2025年3月5日に特別会員との意見交換会を実施し、年代別・支部別有資格者数の把握・分析、資格認定制度の共通化、講習会や認定証発行のあり方、各社の状況など、双方の要望や課題等について、意見交換を実施した。
- ②さらなる関係強化が望まれる公民鉄事業者の特別会員への加入を促進している。
- (1)調査・研究、委員会事業
- 2.
- 安定し健全な協会経営の確立
会員の円滑な業務運営に資する講習会の充実、各種情報提供の充実を図るため、協会全体の能力向上と各支部の自立経営を確立する以下の取組を行った。- (1)本部と各支部の連携強化
- ①オンラインツール活用し、職員のスケジュールや掲示板ツールを利用し、情報の共有化を推進した。
- ②支部長会を5月及び11月に開催、事務局長・支所長会議を10月及び2月に開催し、本部・支部間の意思疎通及び課題の抽出と対応策を検討実施した。
- (2)経営基盤の健全化、経営状況の見える化
- ①インボイス制度に伴う問題点の把握、経理業務改善を行った。
改正消費税法施行に伴い作成したマニュアルに、収益関係(社員総会・全体会議・賀詞交歓会)の会計処理の追録を作成して追加し、またインボイス対応精算様式(出張旅費・交通費・レクリエーション補助金・立替経費)の記入例を作成して追加展開して経理業務の改善を図った。 - ②経営状況を見ながら災害等の異常時にも対応できる運転資金の確保等、経営基盤の健全化を進めている。
- ③各事業の運営及び業務分析を実施し、経費低減を図っている。
- ④新規会員の獲得や講習の新規受託、資格認定業務受任の拡大を図っている。
- ①インボイス制度に伴う問題点の把握、経理業務改善を行った。
- (3)人材の確保、育成
- ①鉄道会社、工事会社等との連携により、講師等職員の後継者の確保を図っている。
- ②人材を鉄道会社等OBだけでなく広範囲からの確保と育成を図っている。
- (4)業務の改善
- ①講習会や講習料等の管理に関して整理統合を進め、講習会計画及び実績管理の簡素化、並びに経理システムへの実績入力誤り防止を図っている。
JRの資格認定ルールの変更により、講習会費の請求項目の変更が発生し、システム改修を実施した。 - ②複数のソフト(支部毎に異なる講習会申請システム、原価Pro、財務応援、楽々明細等)により構成され複雑になっている経理システムについて、システム更新時期に向けて問題点を整理し、システム構築の検討を行っている。
- ③コンピュータウィルス対策として、セキュリティシステムの強化、並びに個人情報の保護を含め職員等へのセキュリティについてメール等で継続的に意識付けを実施している。
- ①講習会や講習料等の管理に関して整理統合を進め、講習会計画及び実績管理の簡素化、並びに経理システムへの実績入力誤り防止を図っている。
- (1)本部と各支部の連携強化
- 3.
- 協会職員の働き方や環境の改善、活性化
- ①全世界的なSDGsへの取組みを踏まえ、地球環境問題や人権問題など世界的価値観を共有し、協会運営の活性化を通じて協会活動に反映している。
- ②職員の意識改革を進め、システム化や業務全般の効率化を通じて働き方改革を進め、講師・職員の待遇改善を目指している。
- ③年次有給休暇の取得を促進するため、5日間の年次有給休暇取得慫慂日を設けた。
- ④令和6年分所得税の定額減税(所得税・住民税)実施に伴う制度の概要・実施方法等のリーフレットを作成し周知した。
- ⑤健康保険証の新規発行の廃止及びマイナ保険証移行の文書発信により、情報展開した。
2024年度講習会事業等実績表はPDFでダウンロードすることができます。